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不動産仲介のあれこれトピックス

2020年10月16日
家を売らずに資金を調達する
「リバースモーゲージ」とは

生活資金が足りず、残る手段はもう自宅売却しかない……そんな切羽詰まった人にとって救いの一手になりうるのが、「リバースモーゲージ」です。
リバースモーゲージは簡単に言えば、住んでいる自宅を担保にして融資を得る手法。リバースモーゲージの仕組みや、メリット・デメリットについて解説します。

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、自宅を担保にして資金を借り入れし、借りた人の死後は持ち家を売却することによって債務を返済する、という手法です。

借りたお金をなんに使うのかについて、用途の制限はありません。
生活資金の足しにして優雅な暮らしを楽しむもよし、月々負担しているローン返済の助けにするのもよし、別の家に住み替える資金にするのもよし……リバースモーゲージは様々な目的の資金調達に利用することができます。

リバースモーゲージは、金融機関や社会福祉協議会など様々な取り扱い機関によって提供されています。
中には、契約者が死亡したあとも、配偶者などの相続人が契約を引き継ぎ、担保になっている自宅に住み続けられる条件の場合もあるのです。
通常の融資は一括で借りた金額を月々返済していって最終的に完済となりますが、リバースモーゲージは毎月借り入れる、あるいは一括で借り入れた債務を最後にまとめて返済できるシステムになっています。
そうした意味で、「リバース=逆」という名前がついています。モーゲージとは抵当・抵当権という意味です。

こうした特性から、リバースモーゲージは高齢者が融資を得る手段としてとりわけ注目されています。
高齢者は年金暮らしで給与所得がなく、通常の融資を受けることは難しいからです。
各金融機関も、高齢者向けの特設サイトなどの情報発信で、リバースモーゲージの売り込みを図っています。

https://www.smbc.co.jp/kojin/reverse-mortgage/
例:三井住友銀行のリバースモーゲージ特設ページ

メリットとデメリット

リバースモーゲージについて、メリットとデメリットを見てみましょう。

  • <メリット>

・毎月の返済は金利のみで、契約者の死亡時に一括返済する条件で資金を
 借り入れられる
・自宅を確保しながら自分の資金を増やすことができる
・元金の返済は契約者死亡時に担保物件を売るだけでなく、
 現金で一括返済することもできる

  • <デメリット>

・変動金利の契約のため、金利変動のリスクがある
・借り入れ期間は一般的に契約者の死亡までのため、
 融資限度額以上に資金を使ってしまうリスクがある
・担保にしている土地・建物の価値が契約者の生存中に下落すれば、
 融資期間が見直されるリスクがある

メリットとしては、なんといってもマイホームを確保しながら融資を得られることと、月々の返済金額が少なくて済むことが大きいでしょう。この部分の条件だけを見れば、お金を借りる形としては理想的なあり方であると言えるかもしれません。

デメリットで大きいのは、市場環境によって契約後に条件が悪化するリスクがあることです。
日本は長らく低金利が続いていますが、政府の方針で金利が引き上げられれば、想定よりも月々の返済金額が高くなって破たんを招いてしまうかもしれません。
また、住宅ローンでは担保になっている不動産の価値が変わろうとも金利等に影響はしませんが、リバースモーゲージでは融資限度額に影響する可能性があることにも注意が必要です。
そういう意味では、融資でありながらやや投資の性質を帯びているともいえます。

前述のとおり、リバースモーゲージは特に年金暮らし高齢者に向いている手法です。
また、高齢者でなくとも、単純に毎日の生活水準を上げたいと思うマイホーム保有者、自宅をリフォームする資金が欲しい人など様々なニーズに応えることができます。

また、現在は特に資金の必要性を感じていなくとも、最終的に老人ホームに入りたいという意向がある人にも、リバースモーゲージはうってつけです。
老人ホームの入居には高額の入居費がかかりますから、リバースモーゲージによって得た資金をあてにできます。
返済は契約者の死亡時ですから、子や孫に資金の負担をさせなくても自費で余生を全うする助けになるのです。



どうしてもお金がないから、自宅を手放そう……それも一つの選択肢ですが、短絡的にならずに、できることを探してみましょう。
リバースモーゲージを使えば、自宅を保有したまま資金を得ることができるかもしれません。

お金を借りるというだけで嫌悪感がある人もいるかもしれませんが、条件さえうまく適合すればリバースモーゲージはメリットのある手法です。 自分のニーズや資金の状況を鑑みて判断しましょう。