コラム~Column~

不動産仲介のあれこれトピックス

2020年11月16日
不動産会社を通さずに物件を売る「不動産オークション」

不動産オークションとは?

不動産のオークションと言って真っ先にイメージするのは、従来からある裁判所の競売でしょう。
競売はローンが払えなくなった物件を裁判所が差し押さえて売りに出し、一番高い金額を入札した人に売却する方式です。
しかし、競売はあくまで裁判所が行う処置であって、オーナーが自ら望んで物件を売却する手段であるとは言えないでしょう。

不動産オークションで売りに出されるのは、ローンが支払えなくなった物件に限りません。
通常の仲介と同じくどんな物件も対象になり、インターネットを通じて物件を買いたい人を募ります。

不動産オークションにおいては、不動産会社の仲介が入りません。
無事に落札されたら、オークションサイトに仲介手数料を払う仕組みになっています。
通常は不動産会社が行う物件の調査や買主候補への情報提示も、自分で行う必要があることには注意が必要です。

メリットとデメリット

不動産オークションのメリットは、なんと言っても物件を「高く」「早く」売れる可能性があることです。
不動産会社の仲介が入る場合、不動産会社があまりに多くの買い手候補と交渉をすることはできません。
何人かの候補者の内覧をいちいち受け入れ、ときには値下げ交渉され……といったプロセスを踏んでいくうちに時間が経ち、売却価格も希望より低くなってしまうことがままあります。

しかし不動産オークションの場合は、最も高い購入価格を提示してくれた人がそのまま落札することになります。
物件に瑕疵が見つかったりしなければ、落札後の値下げ交渉なども普通はないので、買い手のつきやすい物件であれば不動産会社の仲介を入れるのよりもはるかに高額で、早く物件を売却できる可能性があります。

一方でデメリットもあります。一つには、たとえ希望する最低額に達していなくても、落札者に対しては物件を売らなければいけないこと。
また、不動産会社が仲介に入らないことによるリスクや手間も生じます。
前述したとおり物件の調査は出品者自身がしなくてはならず、何か問題があった場合の責任は出品者自身が取ります。
売却後のクレームは不動産会社が窓口になってくれず、自分で受けなければいけないので、トラブルになった場合はかなり大変です。

加えて、売却時の移転登記や税務的な手続きをサポートしてくれる司法書士や税理士なども、自分で探して対応する必要があります。

注意すべきポイント

このように、不動産オークションにはメリットとデメリットの両方があります。
物件を高く早く売れる可能性がある一方、通常はプロに任せる手順を自分自身で行い、リスクも背負うという方式なのです。

不動産オークションのデメリットを解消するための一つの手段は、信頼できる不動産会社に、仲介ではなくアドバイザーという形で入ってもらってフィーを支払うことでしょう。
物件調査はどのように行えばいいのか、売却後のトラブルはどう防げばいいのか、適切な最低希望価格はいくらなのか……など、プロでなければ難しい部分の相談に乗ってもらうのです。
自分だけで不動産取引をするのはさすがに不安、という人は、アドバイザーを頼むのがいいでしょう。

また、不動産オークションはまだ日本では仕組みとして定着しておらず、詐欺被害もあるので注意が必要です。
出品時に入力した個人情報を悪用された、規約に書いていない手数料を後から請求されたなどのケースが報告されており、くれぐれも注意する必要があります。
利用しようとしている不動産オークションサイトに怪しい点はないか、被害を受けた口コミはないか等、よく確認してから利用するようにしてください。



不動産会社を通さない新しい売買の形として注目されている、不動産オークション。
以上のようにメリットもデメリットも両面あるものですが、うまくできれば持っている不動産を高く素早く売却できるかもしれません。
持っている不動産を売ろうという場合には、不動産オークションに出品することを手段の一つとして考えてみてもいいでしょう。