コラム~Column~

不動産仲介のあれこれトピックス

2020年11月18日
タワーマンションは売却すべきなのか?

好立地、眺望、充実した設備……いわば「富の象徴」として憧れの眼差しを向けられていたタワーマンション。
しかし、実は数年前から暴落の危機がささやかれていることをご存知でしょうか?


東京の地価の安定した上昇を背景にタワーマンションの供給は増え続けてきており、都心には超高層の物件が林立していますが、不動産業界では「危ない」という噂で持ちきりです。

「タワマン暴落説」の実態に迫ります。

コロナで欠点が噴出

タワーマンションがヤバいらしい、という説が盛んに言われるようになったのは、なんといっても新型コロナウイルス蔓延以降です。
コロナによって暴かれたタワマンの欠点は、次のようなものです。

テレワークに不向き

タワマンの部屋は決して広いとはいえません。
以前は家にはほとんど寝に帰るだけ、という人が多かったのでそこまで気にされませんでしたが、突然のテレワークの普及で部屋の狭さに対する不満が噴出しています。
また、直射日光が避けられず日中暑くて仕方がない、こんなに昼の居住環境が悪いと思わなかった……という声も聞かれます。
特に夫婦ともにテレワークの世帯などは「お互い気をつかって仕事にならない」「子どもに邪魔される」と深刻に悩んでおり、離婚の話にまで発展しているケースもあるそうです。

立地の良さがメリットにならない

好立地はタワマンの強い武器でした。
しかし、STAY HOMEで出勤のない状態で、都心に住んでいることが意味をなさなくなってしまいました。
むしろ、自動車が使いづらい、スーパーが狭くて品揃えが悪い、生活費が高いといった都心暮らしのデメリットがクローズアップされるようになってしまったのです。

「密」が避けられない

密集・密閉・密接の「3密」を避けることはもはや常識になりましたが、タワマンのエレベーターや共用施設において密を避けることはほぼ不可能です。
施設側は人数制限や使用制限などで対応していますが、ちょっと外に出るだけでエレベーターの待ち時間が発生するなど住民の大きな不満につながっています。

そもそも批判があった

しかし、実はコロナ以前からタワマン暴落の噂は出ていました。

その理由の一つは、供給が増え続けることによってタワマンの希少価値が下がってきていたことです。
いくら立地が良くて豪華な物件でも、近隣に同じレベルの条件でより新しい物件ができ、しかもそれが何千戸という戸数を持つ物件だったとすれば価格下落の危機にさらされます。タワマンは元々の価格が高いですから値下がりがより顕著です。
一部では、「タワマンは築10年で価格は落ちる」とも言われています。他の物件だけでなく自分の物件の部屋がいくつも同時期に売りに出るケースがあるので、そうなれば売却時の価格はより下がってしまいます。

また、潜在的なリスクとして指摘されているのが、住民同士の合意が取りにくいことです。
マンションは住民が管理組合を作り、大規模修繕などの大きな判断においては管理組合の合意が必要になります。
これがタワマンでは非常に多い人数になります。また住民によって修繕費用を出せるかなどの事情が異なり、そもそも外国人投資家がオーナーで本人とは連絡が取れないケースもあります。

つまり、大規模修繕など管理組合の合意が必要な事項については、タワマンでは実際行うことができないのではないかと言われているのです。
将来的に物件が「スラム化する」という説すらあり、将来的なことを誰もわかっていないのが実態です。

今すぐに売るべきか?

では、タワマンを持っている場合はいつ売ればいいか?という疑問が生じます。
その答えは、「なるべく早く」となるでしょう。

2020年8月現在、まだ不動産価格が大きく下がる兆候は見られていません。
しかし、コロナショック、オリンピック終了といった材料が目の前にあり、日本の先々の人口減少と経済縮小が確実視されている現状において、ここから不動産市場が上がっていくことはまず考えにくいでしょう。
既にプロの不動産会社では、保有している物件をいったん売却して、暴落時にまた買い入れる方向で進めているところも多いようです。

タワマンについては、暴落とはいかないまでも今後、供給の加速によって緩やかに価格が下がっていく可能性が高いでしょう。
今であればまだ、中古で買った場合は買った時の価格と近い価格で売れる可能性もあります。



コロナショックを境に、住まいに対する価値観は変わりました。
より広い居住空間を、という志向が広がり、郊外暮らしも注目されています。
タワマンを買って住んでいるあなたは、今が引っ越しのチャンスかもしれません。
投資用物件として保有しているとしても、売却してその資金で住み替えを考えるいい機会でしょう。