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不動産仲介のあれこれトピックス

2020年11月24日
不動産を売りたくてもローン地獄から抜け出せない!
ローン破綻した場合の対処法

不動産売買において、投資物件であれ居住用であれ、つきまとうのはローン返済の問題です。
しかし、ローンが返済できなくなってしまう人は跡を絶ちません。
空室だらけであるとか、想定以上の修繕費や固定資産税の支払いがあったとか、その原因は人それぞれですが、金融機関は毎月のローン返済を待ってはくれません。

ローン地獄に陥ってしまった場合、どのように対処すればいいのでしょうか。弁護士への相談の仕方から報酬について、解説していきます。

不動産ローン地獄に陥るケース

果たしてどのような場合に、ローン返済が滞ってしまうのでしょうか。
たとえば会社の倒産やリストラが要因として考えられます。特に昨今のコロナ禍においては、企業の破産や会社からの早期退職勧告などのニュースが取り沙汰されており、ローン返済のある不動産オーナーにとっては冷や汗ものです。
不動産オーナーの場合、アパート経営に失敗してローン返済が計画通りできないケースも考えられます。たとえば、新築アパートの賃貸経営を始めた当初は空室もきちんと埋まり、順調に収益を上げていたとしても、築年数が経過すれば家賃を下げたり、修繕費がかさんだりと不動産収入が最初よりも減ってしまうなんてこともあり得る話です。

本来、安定した不動産収入を得ることを夢見た不動産投資がうまくいかず、ローン返済すらままならないともなれば元も子もありません。
では、ローン地獄に陥ってしまった場合、もう手の施しようがないのでしょうか。

不動産ローンの返済手段

ローン返済ができず、先行きが見えなくなったときに、不動産を売却した収益でローン返済に充てることが第一に考えられます。
ローン返済が滞った場合の不動産売却の方法としては、「競売」と「任意売却」があります。
競売は、ローン返済が滞った場合、不動産を差し押さえて、裁判所を通じて債権回収される方法です。
任意売却は、住宅ローンの返済が滞った場合、金融機関の合意を得て土地や物件を売却できる方法です。
ほか、ローン返済地獄に陥ったとき、借金を整理するための選択肢として「債務整理」の手段も考えられます。「自己破産」「任意整理」「特定調停」「個人再生」の債務整理術を、弁護士などの専門家に相談しながら進めるのがいいでしょう。

ローン破綻した場合の対処法

不動産ローン地獄に陥ってしまったら、それで人生終了と諦めるのは早いです。不動産売却においては、そもそも弁護士立ち会いが不要なこともあり、弁護士に依頼するケースは多くはありません。ただ、弁護士活用の仕方を知っておけば苦しいローン地獄からも抜け出せる一縷の光が見えてきます。

まず覚えておいていただきたいのは、弁護士は法律の専門家であり、不動産の専門家ではないことです。不動産売却においては、任意売却専門業者もおり、必ずしも弁護士に助けてもらう必要はありません。
ただ、不動産の権利関係が複雑なもの、多額の損失がある場合、個人間での不動産取引でのトラブル防止においては、法律の専門家である弁護士の出番です。
ローン破綻後に「自己破産」「任意整理」「個人民事再生」の処理をするケースにおいては、弁護士が必要となります。

自己破産するケース

自己破産は、財産を手放し借金の返済義務を免除してもらうことです。裁判所に申し立てが必要になるため、弁護士の出番になります。
任意売却をした後のローンが多く残っており、まったく支払う余裕がない場合は自己破産という選択肢があります。自己破産した場合、金融機関のブラックリストに載るため、ローンを組めない、クレジットカードが作れないというデメリットがある点は覚えておきましょう。

任意整理するケース

任意整理は、返済するローンの将来分にかかる利息を免除してもらったり、過払金を返還してもらったりすることです。裁判所の手続きは不要ですが、債権者と直接交渉が必要になるため、弁護士を依頼する選択肢が出てきます。
ローン返済額を減額し、少しでも支払いを楽にするためには任意整理の選択肢を頭に入れ、弁護士に依頼をしましょう。

個人民事再生するケース

個人民事再生は、ローンの借入額を最大5分の1にまで減額できます。裁判所を通して手続きが必要になるため、弁護士の出番です。申請書類の作成や手続きを代行してもらいます。
個人民事再生の大きなメリットとしては、自己破産と異なり資産をすべて手放す必要がない点です。ローンの支払いを減額して、不動産を一部所有することも可能です。
判断基準としては、ある程度の返済能力が残っていて返済意思がある場合、自己破産よりも個人民事再生を選択した方が賢明であることが多いです。
また、弁護士は「時間」という資源を切り売りして成り立っている仕事です。
相談料という形で報酬を支払うことになりますが、準備不足の場合、経緯報告だけで時間を使ってしまい、相談料だけ取られることもあり得るので注意しましょう。
個人の事情を弁護士という第三者に相談するのですから、事前に説明資料を用意して、要点を端的に説明できると有意義な相談の場にすることができます。

弁護士の報酬について

弁護士に相談するメリットは分かっても、弁護士に支払う報酬がどれほどになるかは気になるところでしょう。
まず、弁護士に支払う項目としては、「弁護士への法律相談料」「着手金」「報酬金」「その他費用」があります。

弁護士への法律相談料

法律相談は「時間制」です。料金の目安としては「1時間あたり5,000〜10,000円」が相場です。弁護士の著名度などによって料金に変動はありますのであくまで相場ですが、初回相談無料の弁護士や法律相談所も増えているため、リサーチしてみてください。

着手金

弁護士相談後、正式に依頼する際に支払う料金です。ただし、前金とは考え方が異なり、依頼が中断された場合でも着手金は戻ってこないので注意が必要です。
着手金は、依頼内容や弁護士によって差がある項目ですが、「10万〜30万円」が相場です。

報酬金

依頼が無事完了し、成功した際に支払うのが報酬金です。着手金とは異なり、成功報酬のため、依頼が中断したり、交渉がまとまらなかったりした際には支払う必要はありません。
弁護士報酬自由化により、決まった金額はありませんが、弁護士が介入したことによって得られた経済的利益をもとに計算されます。
経済的利益の額が、300万円以内の場合はその16%と消費税、300万円超〜3,000万円の場合はその10%+18万円+消費税、3,000万円超〜3億円の場合はその6%+138万円+消費税、3億円以上の場合はその4%+738万円+消費税となります。

その他にかかる費用

弁護士報酬は、出頭や遠征の場合に実費請求されます。出張費や交通費、宿泊費、通信費、郵便代、申立印紙代などで実際にかかった金額を支払います。

まとめ

不動産売買で必ずしも弁護士は必要ありませんが、活用方法を知っておくことでローン返済地獄から抜け出せる可能性が広がります。信頼できる不動産会社とスムーズに取引を実行できるのが一番安全ですが、立ち行かなくなった場合は早めに弁護士に相談することをおすすめします。